王将戦 棋譜利用の制限について
巷で騒がれている王将戦の棋譜利用ガイドライン(公式ページ)について、法的な拘束力があるのだろうか。
厳しすぎると言われているが実際はどうなのか。
について個人の見解をお話しします。
目次
将棋は日本将棋連盟のものではない
当たり前ですが、そもそも将棋は日本将棋連盟のものではなく、誰もが遊べるゲームです。
したがって、日本将棋連盟や、大会主催者がなんと言おうと将棋の棋譜などに著作権等の権利が付与するかどうかは決まりません。
著作権等の権利は、裁判で争われて初めて決定されるもので、現在のところ、棋譜には著作権がないという説が主流です。
なので、単に将棋の棋譜などについてSNSへの転載に法的な制限をかけることはできないと考えられます。
棋譜は勝手に使っていい?
ここまでの話だと棋譜に著作権がない限りは勝手に使っていいということになりそうですが、注意点があります。
それは、連盟や主催者などがwebサイトやアプリ,TVなどを通じてユーザーに棋譜を提供する際、利用規約として、ガイドラインのような制限をしている場合です。
このような場合、あらかじめユーザーは承諾をしてそれらのサービスを利用しているわけですから、規約違反によって損害が生じれば、損害賠償を請求されることはあるでしょう。
しかしこの話は棋譜の利用や将棋に限った話ではなく一般的な話です。
某人狼ゲームで賠償請求がされたのと同じ理由です。
条件が厳しすぎる?
今回のガイドラインに従えば、Twitterなどで一手指し手を呟いただけでアウトになるようですが、現実的に考えてそこまでの制限は無理でしょう。
なぜなら、上記の理由に加えて、指し手のみでは本当に王将戦で指された手なのか、たまたま予想してた手が当たっただけなのか、同じ流れの対局があっただけなのか等の判別ができないからです。
したがって今回のガイドラインは大した意味を持たないでしょう。
では、また今度。